温泉宿を予約したら、数日たってから宿へ電話して、予約が届いているか確かめてください。
名前・泊まる日・人数・部屋・食事が合っているかも、その電話で聞けます。
どの予約サイトを使っても、この手順は同じです。
山形県米沢市の温泉旅館が、2026年9月22日(火)にSNSで「当館の予約にAgodaなど海外の予約サイトを使わないで」と呼びかけていたことを、J-CASTニュースが10月15日(木)に伝えました。
海外の予約サイトをめぐる予約のトラブルは、観光庁が2025年3月に改善を求めてから1年半がたっても、宿からの声が続いています。
この記事では、報道と公的機関・会社の発表で分かっていることと、予約する人が自分でできる確かめ方を、2026年10月16日に確かめた範囲でまとめます。
何が起きているのか
J-CASTニュースの記事をまとめると、次のとおりです。
- 山形県米沢市の温泉旅館が、直接の契約をしていないのに、自分の宿の部屋が海外の予約サイトで売られているとして、SNSで注意を呼びかけました。記事に旅館の名前は書かれていません
- 旅館は、自分の宿の公式サイトへ誘いたいわけではないと強調しています。じゃらんや楽天トラベルなど国内の予約サイトでは問題は起きていない、とも説明しています
- 2026年10月上旬には、ホステルに泊まりに行った人が、入口に「Agodaと契約していない」という趣旨の張り紙があったとSNSに書き込みました。この人は、たまたま戻ってきたスタッフのおかげで泊まれたそうです
どんなトラブルが起きているか
報道や宿の注意書きで挙げられているのは、次のようなことです。
- 予約が宿に届いておらず、着いたら部屋が取れていない
- 宿に伝わった日付・部屋・人数・食事の有無が、予約した中身と違う
- 予約してから宿に知らせが届くまで、数日かかることがある(東横イン)
- 宿が決めた料金より、大幅に高い値段で売られている
- 宿は取り消しできる部屋なのに、「キャンセル不可」で売られている(東横イン)
- 暗証番号で入る宿で、玄関を開ける番号が届かない
- 宿が泊まる人の正しい連絡先を知らず、災害や事故のときに連絡できないおそれがある
星野リゾートの代表は2025年6月、メンテナンスで休館していたホテルに、Agoda経由で予約した人が来たとXに書いています(J-CASTニュース)。
なぜ起きるのか
J-CASTニュースによると、Agodaは宿と直接契約した部屋のほかに、ほかの旅行会社や仲介する業者から仕入れた部屋も売っています。
あいだに入る業者が増えるほど、予約の中身が食い違いやすくなる、と説明しています。
東横インは2025年6月、自社のサイトに「一部の海外予約サイト(Agoda等)ご利用時のご注意事項」を出しました。
提携サイト向けの空き部屋の枠が、一部の業者によって海外の予約サイトで転売されている、という説明です。
観光庁とAgodaのこれまで
- 2025年3月 観光庁が、Agodaの国内の運営会社に業務の改善を求めました(行政指導)。「予約して来たが部屋がなかった」といった声が入っていたためです
- 2025年6月26日 Agodaは、トラブルの原因になった一部の業者から仕入れた部屋の取り扱いをやめました
- 2025年7月 AgodaのCEOが、日本を「最も重要な市場のひとつ」として改善に取り組むと表明しました。AIを使って不正確な情報を載る前に消す仕組み、業者の管理の強化、トラブルのときの補償などを挙げています。観光庁の長官は7月16日の会見で、改善の進み具合を見ていくと話しました
- 2025年10月 Agodaは、仕入れ先の業者に厳しい基準を設け、違反したときの罰則を強めたと発表しました。AIで掲載内容と実際の部屋の食い違いを見つける仕組み、不適切な料金を自動で止める仕組み、日本語で24時間365日受け付けるサポート窓口も整えたとしています
- 2025年11月 星野リゾートがAgodaと包括的な提携を結びました。星野リゾートの代表は2026年7月の対談で、直接の契約によって、システム上の大きな問題は起きなくなったと話しています(J-CASTニュース)
Agodaは対策を重ねています。
いっぽうでJ-CASTニュースは、取り扱いをやめたのは一部の業者だけで、ほかの業者を通じて部屋が流れる道は残っている、と伝えています。
2026年10月16日までに、観光庁がこの件で新しく処分などを発表したという情報は、見つけられませんでした。
予約したら、宿に電話で確かめる
予約が宿に届いているかを確かめるいちばん確かな方法は、宿に直接聞くことです。
海外の予約サイトでも、国内の予約サイトでも、宿の公式サイトでも、やり方は同じです。
いつ電話するか
- 1回目は、予約の2〜3日後。予約してから宿に知らせが届くまで数日かかる例があるので、すぐに電話すると「まだ届いていない」と言われることがあります
- 2回目は、泊まる日の1週間前ごろ。人数や食事の食い違いに気づいても、まだ間に合う時期です
- 宿がいちばん忙しいのは、チェックインのある夕方と、夕食の時間です。午前10時から午後2時ごろにかけると、落ち着いて話を聞いてもらえます
どの番号にかけるか
宿の名前で検索して、宿の公式サイトに載っている電話番号にかけます。
予約サイトに載っている番号が、宿の番号と違うことがあるためです。
何を伝えるか
手元に予約確認メールを出して、次の順に伝えます。
- 「〇月〇日から〇泊で予約した者です。予約が届いているか確かめたくて電話しました」
- 予約した人の名前(予約サイトにローマ字で入れたなら、その綴りも)
- どの予約サイトで予約したかと、予約番号
- 人数(大人と子どもの数)、部屋の種類、食事の有無(夕食・朝食)
- 到着の予定時刻
宿の答えと、予約確認メールの中身が合っていれば安心です。
「予約が見当たらない」と言われたら
宿を責めずに、すぐ予約サイトの問い合わせ窓口に連絡します。
東横インは、海外の予約サイトからの予約は、宿に連絡しても確認・変更・取り消しができないと案内しています。
直せるのは、予約を受けた予約サイトだけ、ということです。
- 窓口は、予約サイトのアプリか、自分で開いた予約サイトの中から探します。予約確認メールのリンクを使う場合も、送り主のアドレスが予約サイトのものか見てからにします
- 「宿に電話したら予約が届いていないと言われた。宿の担当の方の名前と、電話した日時」を伝えます
- 予約サイトの答えは、メールやチャットの画面を残しておきます
- 泊まる日が近いのに話が進まないときは、宿に空きがあるかを聞いて、取り直すことも考えます。取り直す前に、元の予約の取り消しと返金の扱いを予約サイトに確かめておきます
予約確認メールで見るところ
予約確認メールが届いたら、その場で次のところを見ます。
国民生活センターは、予約確認メールを旅行が終わるまで消さずに残すよう呼びかけています。
- 宿の名前と住所 似た名前の別の宿になっていないか
- 泊まる日と泊数
- 人数(大人・子ども)、部屋の種類、食事の有無
- 支払い 予約サイトで払い済みか、宿で払うか
- キャンセルの条件 「キャンセル不可」になっていないか、いつから取り消し料がかかるか
- 予約番号と、予約サイトの問い合わせ先
食い違いを見つけたら、宿ではなく、まず予約サイトに直してもらいます。
予約する前にできること
- 宿の公式サイトで休館日を見る。休館日に予約が入っていた例があります
- 宿の公式サイトの料金と見比べる。大きく高いときや、極端に安いときは、その予約サイトの部屋が宿と直接つながっているか、宿に電話で聞いてから決めても遅くありません
- 宿の公式サイトの「お知らせ」に、使わないでほしい予約サイトが書かれていないか見ます。書かれていたら、その予約サイトは避けます
- 予約サイトの運営会社と、日本語の問い合わせ窓口を、予約の前に確かめておきます。観光庁の長官も、利用規約や問い合わせ先を前もって確かめるよう呼びかけています
宿の公式サイトから予約すると、予約は宿に直接届きます。
国内の予約サイトは宿と直接契約していることが多いですが、予約サイトの種類で安全かどうかが決まるわけではありません。
どこで予約しても、予約のあとに宿へ電話で確かめる手順は変わりません。
話がまとまらないときの相談先
- 予約サイトの問い合わせ窓口 まずはここです。Agodaは、日本語で24時間365日受け付ける窓口を整えたと発表しています
- 消費者ホットライン188 近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。相談は無料で、通話料は窓口につながってからかかります
相談するときは、予約確認メール、予約サイトとのやりとりの画面、宿に電話した日時と相手の名前のメモを手元に用意すると、話が早く進みます。
まとめ
- 山形県米沢市の温泉旅館が、契約していない海外の予約サイトで部屋が売られているとして、そうしたサイトで予約しないよう呼びかけました(J-CASTニュース、2026年10月15日)
- 起きているのは、部屋が取れていない・中身が違う・知らせが遅れる・料金が高い・キャンセル不可といったトラブルです
- 観光庁は2025年3月に改善を求め、Agodaは一部の業者との取引停止、AIでの監視、日本語の24時間窓口などの対策を発表しています
- 予約したら、2〜3日後と1週間前ごろに、宿の公式サイトの番号へ電話。名前・日付・人数・部屋・食事を確かめます
- 食い違いを直せるのは予約を受けた予約サイトです。話が進まないときは188へ
※この記事は2026年10月16日時点のJ-CASTニュースの報道(2025年6月17日・6月27日、2026年10月15日)、トラベルボイスの報道(2025年7月17日・10月10日)、観光庁長官の会見を伝えた報道、国民生活センター・消費者庁の案内に基づきます。Agoda自身の発表文と、旅館のSNSの投稿そのものは確かめられていません(Agodaの対策は報道で確かめました)。状況は今後変わることがあります。
出典
- J-CASTニュース「「Agoda使わないで」温泉旅館が注意喚起 観光庁の改善要請から1年半も…「CM流すより先にトラブル解決して」」(2026年10月15日)
- J-CASTニュース「東横インで空室「転売」トラブル…部屋確保されないことも」(2025年6月17日)
- J-CASTニュース「Agodaの予約トラブル、星野リゾート代表も苦言 空室転売が原因?運営会社「業務改善進めている」」(2025年6月27日)
- トラベルボイス「アゴダCEOがサービス改善へ声明、トラブル原因の事業者の取扱い停止、AI事前監視システムや補償オプションなど導入へ」(2025年7月17日)
- トラベルボイス「OTAアゴダ、第三者サプライヤーに厳格な基準を設定、AIによる課題検知ツールの導入や24時間365日サポート体制も整備」(2025年10月10日)
- 航空新聞社「観光庁、Agodaの宿泊トラブル問題「改善の進捗を注視」」(2025年7月17日)
- 国民生活センター「インターネットで予約した旅行に関するトラブルにご注意-ホテルに行ったら予約が取れていなかった!?-」(2016年9月1日)
- 消費者庁「消費者ホットライン」
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