季の郷 湯ら里(福島・只見) 会社は清算、宿は続きます

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湯上がりに食堂へ行くと、地元の人が手打ちそばをすすっています。旅の客と町の人が同じ湯に入って同じ昼を食べる、そういう温泉です。

福島県南会津郡只見町の温泉宿泊施設「季の郷(きのさと)湯ら里」について、只見町が2027年度から指定管理者を変えて、新しい運営のかたちで続ける方針を固めました。福島民友新聞が2026年9月12日に伝えています。

いまこの施設を運営している第三セクター「株式会社季の郷湯ら里」は、資金繰りが悪くなったため清算されます。会社はなくなりますが、宿と温泉は続きます。

今年度いっぱいは、いまのまま営業します

予約を考えている人にとっていちばん大事なところを先に書きます。

  • 2027年3月までは、いまの季の郷湯ら里が運営して営業を続けます
  • 2027年度から指定管理者が変わります。町はこれから新しい事業者を募ります
  • 町は「町内外の人が利用しやすい施設として存続させていきたい」としています

つまり閉館の話ではありません。いま予約しても泊まれますし、日帰りの湯も使えます。運営する会社が入れ替わる、という話です。

ただし、2027年4月以降の予定は、まだ何も決まっていません。新しい事業者が決まるまで、料金や営業日、日帰り入浴の扱いがどうなるかは分かりません。来年度の予約を先に押さえたいなら、宿に直接たずねるのが確実です。

大部屋が埋まらなくなったことが、いちばんの理由です

町の説明として伝えられている理由は、次のとおりです。

  • かつては団体客が多かったが、近年は個人客が増えた
  • そのためとくに大部屋の稼働率が落ちた
  • さらに新型コロナウイルス禍と大雪の影響で宿泊客が減った
  • 町が増資するなどしたが、経営の改善には至らなかった

湯ら里は温泉と食事と客室に加えて、コンベンションホールを持っています。大きな宴会や研修を受け入れるつくりで、団体の旅行が主だったころの形がそのまま残っていた、ということでもあります。

町が大株主の会社が運営してきましたが、建物そのものは町のものです。指定管理者を入れ替えれば施設は残せる、という判断になります。

来年の夏、新潟からの道がつながります

町がこの施設を残そうとしている背景には、道路の話があります。

只見町と新潟県を結ぶ国道289号の「八十里越(はちじゅうりごえ)」という不通区間が、2027年夏に暫定開通する見込みです。いまは山で行き止まりになっている区間がつながると、新潟側から只見へ入る道が増えます。

観光の客を呼ぶうえで施設の役割は大きくなる、と町は見ています。宿がなくなると、来た人が泊まる場所がなくなるという話でもあります。

いっぽうで、いま新潟側から車で来るときに使う国道252号は通れません。公式サイトのアクセス案内には「令和7年の雪害で橋が流失したため、現在通行止め。再開通は未定」と書かれています。この道はもともと毎年12月からゴールデンウィークのころまで冬期通行止めになる道です。新潟方面から向かうなら、行く前に道路の状況を確かめてください。

赤い湯と透明な湯の、2つに入れます

湯ら里の温泉は自家源泉で、泉質はナトリウム塩化物硫酸塩泉です。おもしろいのは、同じ敷地の同じ泉質なのに、見た目の違う湯が2か所あるところです。

  • 本館の大浴場・露天風呂 旅館らしい湯船です。日帰り入浴は11時〜21時(受付20時まで)、大人700円・小学生250円
  • 別棟「むら湯」 鉄分を多く含むため赤褐色です。昔からの日帰り入浴施設で、湯船は広くありませんが地元の人が通ってきます。大人600円・小学生200円、毎月第3水曜が休み。入浴受付は4〜11月が9時〜20時30分、12〜3月は9時〜19時30分まで

泊まった人は、むら湯にも無料で入れます。宿の湯と地元の湯を行き来できる、という点がこの施設の持ち味です。

むら湯には食堂があり、11時30分から19時30分まで開いています。只見そば部会の手打ちそば、ラーメン、料理長がつくる只見スパイスカレーなどが並びます。

只見線の駅から、送迎で行けます

住所は福島県南会津郡只見町大字長浜字上平50です。

車なら、東京方面からは東北自動車道の西那須野塩原ICから約2時間10分、仙台方面からは磐越自動車道の会津坂下ICから国道252号・289号で向かいます。駐車場は乗用車・オートバイが100台、大型バス5台ぶんあり、屋根付きの区画もあります。

鉄道ならJR只見線の只見駅か、会津鉄道の会津田島駅から無料の送迎バスが出ます(いずれも要予約)。只見駅は列車の到着時刻に合わせて、会津田島駅は浅草9時30分発の東武線と、会津若松11時28分発の会津鉄道に合わせて出ます。本数の少ない路線なので、送迎の予約と列車の時刻は先に決めておいてください。

季の郷 湯ら里|奥会津のブナの森に囲まれた、町の温泉宿

客室は和室と洋室の2タイプで、シンボルツリーの欅が見えるパークビューと、木々が見えるフォレストビューから選べます。食事は只見の郷土料理と地場の食材が中心で、料理長が山や川に入って自分で採ってきた食材が並ぶこともあります。売店には只見の米焼酎「ねっか」などの地酒があります。

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会津のほかの温泉地も見ておくなら

只見町は福島県の西の端、新潟県との境にあります。会津若松の市街からは山をひとつ越えた先で、鶴ヶ城や大内宿とまとめて1日で回れる距離ではありません。会津の観光と組み合わせるなら、泊まる日を分けたほうが無理がありません。

会津若松に泊まるなら東山温泉が近く、鶴ヶ城や七日町からすぐの場所に旅館が並びます。宿の選び方は東山温泉のおすすめ宿7選に、車を使わない場合は東山温泉|車なしで泊まる宿選びにまとめています。

まとめ

  • 福島県只見町の温泉宿泊施設「季の郷 湯ら里」は、なくなりません。町が指定管理者を変えて存続させる方針です
  • 運営している第三セクター「株式会社季の郷湯ら里」は資金繰りの悪化で清算されます。会社と施設は別の話です
  • 2027年3月までは、いまの会社が運営して営業を続けます。いま予約すれば泊まれます
  • 2027年度から指定管理者が変わります。町はこれから新しい事業者を募ります
  • 理由は団体客から個人客への移り変わりで大部屋が埋まらなくなったこと、コロナ禍と大雪で客が減ったこと。町の増資でも改善しませんでした
  • 只見町と新潟県を結ぶ国道289号「八十里越」が2027年夏に暫定開通する見込みで、町は施設の役割が大きくなると見ています
  • いっぽうで国道252号は雪害で橋が流失し、通行止めのままです(再開通は未定)。新潟方面から車で行くなら先に確かめてください
  • 温泉は自家源泉で、本館の湯と、赤褐色の別棟「むら湯」の2か所。泊まった人はむら湯が無料です
  • 鉄道ならJR只見線の只見駅と会津鉄道の会津田島駅から無料送迎(要予約)があります

※この記事は2026年9月12日時点の報道と、季の郷 湯ら里の公式サイトに基づきます。2027年4月以降の運営者・料金・営業日は、まだ決まっていません。来年度の宿泊を考えている場合は、宿に直接ご確認ください。

出典

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