※この記事には広告を含みます。宿泊予約や商品購入により、当サイトに報酬が発生する場合があります。
チェックアウトのとき、宿代とは別にもう一行足されます。何のお金か先に分かっていれば、財布を出す前にうなずいて終わります。
それが入湯税(にゅうとうぜい)です。温泉に入った人が、その温泉地の市町村に払う税金で、国が決めた標準は1人1泊150円です(総務省「地方税制度|入湯税」)。
ただし、金額を決めるのは市町村の条例です。いま150円ではない温泉地が増えています。福島県会津若松市は350円、大分県別府市は宿代しだいで最大500円。この記事では、各市町村の公式ページで確かめた金額を並べます(2026年9月9日確認)。
入湯税は「温泉に入る人が、その町に払う」お金です
入湯税は、温泉の浴場がある市町村が集める税金です。使いみちが決まっている「目的税」で、総務省は次の4つに充てると説明しています。
- 環境衛生施設の整備
- 鉱泉源(源泉)の保護管理施設の整備
- 消防施設など、消防活動に必要な設備の整備
- 観光の振興(観光施設の整備を含む)
払った150円は、その温泉地の源泉を守る費用や、消防車が入れる道の費用に戻っていきます。
納め方は「特別徴収」といって、宿がまとめて預かり、あとで市町村へ納めます。泊まった人が自分で手続きをすることはありません。消費税とは別の税金なので、「税込◯円」と書かれた宿代には、ふつう入湯税は入っていません。
いま150円ではない温泉地
各市町村の公式ページで確かめた金額です。宿泊1人1泊の額を載せています。
| 市町村(主な温泉地) | 1人1泊 | いつから | 覚えておくこと |
|---|---|---|---|
| 福島県会津若松市(東山温泉・芦ノ牧温泉) | 350円 | 2025年10月1日〜2035年9月30日 | 日帰りも350円。ただし施設の利用料金が税抜1,000円以下なら免除 |
| 静岡県伊東市(伊東温泉) | 300円 | 2025年10月1日〜 | 日帰りは150円。免除される年齢を6歳未満から小学生以下に広げた |
| 静岡県東伊豆町(熱川温泉・稲取温泉) | 300円 | 2025年3月1日〜2035年2月28日 | 7日(6泊)以上泊まる人は、申請すれば1泊目から150円 |
| 大分県別府市(別府温泉) | 50〜500円 | 2019年4月1日〜2029年3月31日 | 宿代で段が変わる。下の表を参照 |
| 北海道釧路市(阿寒湖温泉) | 300円 | 2025年4月〜 | 国際観光ホテル整備法の登録ホテル・旅館だけ。ほかの宿は150円 |
| 群馬県草津町(草津温泉) | 150円 | — | 宿代が6,000円以下なら100円。日帰りは50円 |
| 静岡県伊豆市(修善寺温泉) | 150円 | — | 利用料金1,000円以上5,000円未満は100円、1,000円未満は免除 |
| 静岡県熱海市(熱海温泉) | 150円 | — | 2025年4月1日から、別に宿泊税200円がかかる |
会津若松市の350円は、2泊すれば1人700円です。上がった200円分は「会津若松市温泉地域活性化基金」に積まれ、東山温泉と芦ノ牧温泉の景観整備に使われます。伊東市も東伊豆町も期限を切っていて、東伊豆町は2035年2月28日までの10年間と決めています。
別府は「宿代がいくらか」で入湯税が変わります
別府市は、ほかの温泉地と考え方が違います。1泊の宿泊料金(または飲食料金)によって、税額が6段に分かれています。短期滞在(日帰り〜6泊7日)の場合は次のとおりです。
| 宿泊料金または飲食料金 | 入湯税 |
|---|---|
| 1,500円以上2,000円以下 | 50円 |
| 2,001円以上4,500円以下 | 100円 |
| 4,501円以上6,000円以下 | 150円 |
| 6,001円以上50,000円以下 | 250円 |
| 50,001円以上 | 500円 |
| 娯楽施設を有する鉱泉浴場 | 40円 |
温泉旅館に1泊2食で泊まると、たいていは6,001円以上50,000円以下の段に入ります。つまり別府では、多くの人が150円ではなく250円を払っています。1人5万円を超える宿に泊まると500円です。
別府市には長期滞在の決まりもあります。7泊8日以上泊まる人は、1泊目から税額が半分になります(250円の段なら125円)。湯治で長く滞在する人のための仕組みです。
子どもは免除される温泉地が多い
子どもの免除は市町村の条例で決まります。今回確かめた範囲では、線引きの表現が少しずつ違いました。
- 12歳未満 会津若松市、別府市、熱海市
- 12歳になった後の最初の4月1日まで(小学生以下) 伊東市
- 12歳未満(12歳の小学生を含む) 伊豆市
- 小学生以下 草津町
- 小中学生と就学前 釧路市
ほとんどの温泉地で小学6年生までは無料と考えて差し支えありません。ただし「12歳未満」と書く町では、誕生日が早い小学6年生が対象から外れることがあります。金額をきっちり計算したいときは、宿に聞くのが早いです。
修学旅行も免除されるところが多く、会津若松市は「引率の先生が付き添い、学校長の証明書がある」ことを条件にしています。別府市も修学旅行団体宿泊証明書を求めます。療養が目的の場合、会津若松市は医師の診断書があれば免除します。
日帰り入浴でもかかります(ただし安い町が多い)
入湯税は「1人1日」で数えるので、日帰り入浴も対象です。ただし宿泊より安くしている町が目立ちます。
- 伊東市 日帰り150円(宿泊は300円)
- 草津町 日帰り・休憩50円
- 釧路市 日帰り90円
- 伊豆市 利用料金1,000円未満は免除
- 熱海市 利用料金1,000円以下の施設は免除
- 会津若松市 日帰りも350円。ただし税抜1,000円以下なら免除
日帰り温泉では、入浴料の中に入湯税が入っていることがほとんどです。券売機で払ったあとに追加で請求される場面は、まずありません。共同浴場や銭湯は多くの町で免除されています。
宿泊税と両方かかる温泉地が出てきました
入湯税とまぎらわしいのが宿泊税です。宿泊税は「泊まること」への税、入湯税は「温泉に入ること」への税で、別の税金です。だから両方ある町では両方かかります。
身近な例が静岡県熱海市です。2025年4月1日から宿泊税が始まり、1人1泊200円がかかります。入湯税150円と合わせると、1人1泊350円が宿代とは別に足されます。宿泊税のほうは小学生以下と修学旅行が免除です。
予約サイトの表示には入っていません
楽天トラベルなどの予約サイトに出る金額(税込)には、入湯税は入っていないのがふつうです。プランの説明に「入湯税は別途現地にてお支払いください」と書かれていて、チェックアウトのときにフロントで払います。カードで前払いしたプランでも、入湯税だけ現地払いになることがよくあります。
領収書では、入湯税は消費税の対象外なので、宿代と分けて「入湯税 ◯円」と別の行に書かれます。出張の精算で宿代と税を分けて申請するときは、この行が根拠になります。
1人1泊2万円の宿に泊まったとすると、150円は宿代の0.75%、350円でも1.75%です。宿選びを変えるほどの差ではありません。「予約したときの金額と、現地で払う合計がずれる理由」として知っておけば十分です。ただし大人2人で2泊すると、会津若松市では350円×2人×2泊で1,400円になります。
今回名前が出た温泉地の宿は、それぞれの記事にまとめています。東山温泉のおすすめ宿7選、伊東温泉のおすすめ宿7選、別府温泉のおすすめ温泉宿7選、草津温泉のおすすめ温泉宿7選、修善寺温泉のおすすめ宿7選が近い内容です。熱海と湯河原で迷っているなら湯河原と熱海どっちに泊まる?もあわせてどうぞ。
まとめ
- 入湯税は温泉に入った人がその市町村に払う目的税で、国が決めた標準は1人1泊150円
- 金額は市町村の条例で決まる。福島・会津若松市は350円(東山温泉・芦ノ牧温泉、2025年10月1日〜2035年9月30日)
- 静岡・伊東市と東伊豆町は300円。伊東市は日帰り150円、東伊豆町は7日(6泊)以上の滞在なら申請で150円
- 大分・別府市は宿代で段が変わる。6,001〜50,000円は250円、50,001円以上は500円。7泊8日以上は半額
- 北海道・釧路市(阿寒湖温泉)は登録ホテル・旅館だけ300円。ほかの宿は150円
- 群馬・草津町、静岡・伊豆市、静岡・熱海市は150円のまま。草津町は宿代6,000円以下なら100円
- 子どもはおおむね小学6年生まで免除。ただし「12歳未満」と書く町では、誕生日が早い6年生が外れることがある
- 熱海市は2025年4月1日から宿泊税200円が加わり、入湯税と合わせて1人1泊350円が宿代とは別にかかる
- 予約サイトの表示金額に入湯税は含まれない。カード前払いのプランでも現地払いになることが多い
※この記事の税額と免除の条件は、2026年9月9日時点で各市町村の公式ページを確かめたものです。入湯税は条例で決まるため、改正で変わることがあります。金額が大事なときは、泊まる市町村名と「入湯税」で公式サイトを確認してください。
出典
- 総務省「地方税制度|入湯税」
- 会津若松市「入湯税について」
- 伊東市「入湯税の税率改正等について」
- 東伊豆町「入湯税引上等について(お知らせ)」
- 別府市「入湯税」
- 釧路市「入湯税」
- 草津町「入湯税について」
- 伊豆市「入湯税」
- 熱海市「入湯税の概要」
- 熱海市「宿泊税の概要」






